葉巻と紙巻たばこの違い

葉巻と紙巻たばこの違い まとめ

  • 葉巻は煙を肺まで入れずに口の中で味わいと煙を楽しむ
  • 葉巻は40~60秒ぐらい間隔を空けて吸いながら時間を楽しむ
  • 葉巻の原材料は100%葉たばこのみで作られている
  • 葉巻は原産地や熟成期間によって異なる味わいが楽しめる

「葉巻と紙巻たばこってサイズが違うだけでしょ?」
葉巻好きの皆さんも、まだ葉巻に馴染みがない皆さんも、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

「葉巻と紙巻たばこは全く別物!」葉巻マニアの方々には当たり前の事実ですが、一般的に知られていないのが現実です。どうしても情報が限られてしまう葉巻業界。葉巻を目にするのも映画のワンシーンで見るぐらいではないでしょうか。

そこで、初めて葉巻を買う人、葉巻について興味を持ち始めた人向けに葉巻と紙巻たばこの違いについて解説をして行きたいと思います。

吸い方の違い

たばこの葉に火をつけて煙を吸い込む点においては似ている紙巻たばこと葉巻ですが、実は吸う目的から大きく異なります。

紙巻たばこの主な目的が「ニコチンの摂取」であることに対して、葉巻は「香りと味の堪能」にあります。


紙巻たばこは通常ニコチンの接種が目的であるため、一番ニコチンの吸収が早い肺に煙を吸い込んで喫煙します。一方で、葉巻は煙を口に含んで味わいと香りを堪能することが目的であるため、煙を肺まで吸い込むことはありません。これは口内喫煙とも言われ、口に含んだ煙をそのまま吹き出す喫煙方法を表します。イメージはワインを飲まずに味と香りだけ楽しんで吐き出すワインテイスティングと似ています。

口に含むだけでもニコチンは一部吸収されるため、葉巻を吸うことでのニコチンの摂取量はゼロではありませんが、吸う目的があくまでも香りと味を楽しむことであるため、紙巻たばこと比べて吸い方の大きな違いがあるのです。

吸う時間の違い

紙巻たばこを1本吸うのに掛かる時間は5分程度ですが、葉巻の場合は大きさにも寄りますが30分〜120分かかります。

喫煙時間の違いはもちろん大きさにも関係しますが、葉巻を美味しく楽しむための喫煙ペースにも理由があります。皆さんは全く同じ葉巻でも喫煙ペースによって香りと味が大きく異なることをご存じでしょうか。

紙巻たばこも葉巻も吸い口から空気を吸うことで、着火している部分に多量の酸素が触れ着火部分が燃えます。しかし、着火部分が極度に高温になり一定以上の温度でたばこの葉を熱すると、本来の葉巻の香りと味を劣化させてしまうのです。これはお料理の時にスパイスやハーブを加熱しすぎると香りが落ちてしまうのと同じ原理です。

そこで、一般的には温度が高くなり過ぎないよう、目安として40秒〜60秒程感覚を空けて吸うことが葉巻の美味しい吸い方とされています。ゆっくりなペースで味わいながらたっぷり時間をかけて楽しむのが葉巻の特徴なのです。


このことから、私たち&CIGARは葉巻とは、単なる“たばこの消費”ではなく、“贅沢な時間の消費”と定義しています。

構造と原材料の違い

紙巻たばこの中には葉たばこ以外に香料、結合剤、保湿剤、保存料、乳化剤、酸化防止剤などの合計600以上の化学物質が含まれていると言われています。

一方、葉巻の原材料は100%葉たばこのみで作られていることから化学物質は一切入っていません。化学物質を多く含む煙を肺に入れる紙巻たばこと比べ、口の中でナチュラルな葉っぱの煙を楽しむ葉巻は比較的健康への害が低いとされています。

違いは原材料だけでなく、構造と製造過程にもあります。紙巻たばこは葉たばこを刻み、紙で巻いた構造となっていますが、葉巻の場合は熟成した複数種類の葉たばこをそのまま巻いた製品です。また、紙巻たばこは機械で製造されるのに対し、葉巻はトルセドールと呼ばれる葉巻職人が一本一本丁寧に巻いているのも特徴です。


まずフィラーと呼ばれる葉巻の中心部分の葉を6枚程度選択してまとめます。このフィラーを筒状にし、バインダーという葉で固定します。最後に外側をもう一枚ラッパーと呼ばれる見た目の綺麗な葉で巻くことで葉巻を完成させます。葉巻には香り、味、色、長さが異なる様々な種類がありますが、この違いは全てトレセドールがどの種類の葉たばこをフィラー、バインダー、ラッパーで選択してブレンドするかで決まるのです。

味の違い

紙巻たばこの味の特徴を特定するのは難しいことです。なぜなら、味わうのは葉たばこ本来の味ではなく、燃えている紙や追加された香料だからです。

一方で葉巻は葉たばこ本来の味が楽しめます。葉たばこの原産地、気候、熟成期間、ブレンドなどによって異なる味の違いを感じられるのが葉巻の魅力でもあります。

多様性に満ちている葉巻の味を一言にまとめるのは難しいですが、良く使われるフレーバーノートにはシダー、レザー、ココア、コーヒー、落ち葉、スパイスなどが上げられます。このフレーバーノートが着火から徐々に変化するのも葉巻の醍醐味の1つで、変化していくフレーバーノートの観察も1つの楽しみかたかもしれません。

また、葉巻は紙巻たばこと違って熟成させることで味が変わっていきます。ワインとも似ており、同じブレンドの葉巻でも、熟成年数や熟成をする時の湿度によって味が変わることがあります。保管方法だけ気を付ければ、数十年熟成した葉巻を楽しむことだって可能なのです。

最後に

紙巻たばこと葉巻には実は多くの違いがあることを知っていただけたでしょうか。

葉巻には楽しむ目的、吸い方、構造、味、そして他にも沢山の特徴があります。私たちはそんな葉巻にもっと興味をもって貰えるきっかけになれたらと思っています。多様性に満ちた葉巻のそれぞれの個性を楽しみながら、きっとあなただけの一本も見つかるはずです。